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採用代行の見積もりが届いた。月額20万円の会社と、月額15万円の会社がある。数字だけなら、後者を選びたくなります。

ただし、応募者への返信、面接の日程調整、スカウトの配信、週次の報告が同じ範囲に含まれているとは限りません。初期設定費や、対象人数を超えたときの追加料金によっても総額は変わります。ここで挙げた金額は、比較の考え方を示す架空の値です。

採用代行の費用は、委託する仕事と期間を揃え、総額と社内に残る作業を一緒に比べます。 本記事では市場全体の相場を一つにまとめず、自社が取った見積もりを読めるようにする手順を解説します。

見積もりを比べる前に、委託する業務と期間を揃える

比較の前提は、同じ仕事を同じ条件で依頼することです。片方は応募者対応だけ、もう片方は求人原稿の改善まで含むなら、金額差をそのまま割高・割安とは判断できません。

対象職種、採用予定人数、応募経路、使う媒体、月の想定件数、対応する時間帯を一枚にまとめます。対象が中途採用か新卒採用か、複数拠点を含むかも伝えてください。

ネオキャリアの公式説明でも、業務の範囲は企業の状況に合わせて組み合わせるものとして扱われています。この説明は同社のサービスのもので、他社の料金や対応を保証するものではありません。出典:ネオキャリア「中途採用代行の特徴・強み」

「採用業務一式」では、双方が違う作業を想定したまま見積もりが進みます。「応募受付から面接日時の確定まで」「合否は自社が決め、通知作業を依頼」のように始点と終点を示しましょう。全体の進め方は採用代行の導入ガイドにまとめています。

料金体系は、何に対して請求されるかで読む

料金体系を見るときは、固定額、作業量、成果のどれが請求の条件かを確認します。名称が同じでも含まれる仕事は違うため、契約の具体的な条件まで読みます。

見積もりの読み方 確認すること 見落としやすい点
月額固定の見積もり 月額内の業務・件数・時間 上限を超えた作業が別料金にならないか
時間や件数による見積もり 計上する単位と作業の定義 修正・会議・確認待ちの扱い
成果に応じた見積もり 請求が発生する具体的な時点 内定、承諾、入社のどれを成果とするか
複数を組み合わせた見積もり 基本料金と追加部分の境界 同じ仕事を重ねて請求しないか

この表は、料金を比較するための分類です。すべての採用代行会社が、各方式を提供しているという意味ではありません。

時間で請求する場合は、実作業の時間に何を含むかを確認します。応募者への連絡だけでなく、打ち合わせやレポート作成も計上するなら、それを含めて予算を組みます。

成果に応じる場合は、途中で辞退した人の扱い、複数経路で接点があった人の扱い、契約終了後に入社する人の扱いを確かめます。返金や免除があると想定せず、書かれた条件を確認してください。

比較表に入れる8項目

比較表には、代行料以外の費用と、追加の承認方法まで入れます。初期費用が安くても、終了まで含めると差が小さくなることがあります。

項目 依頼先に確認する質問
初期費用 要件整理、アカウント設定、引き継ぎを含むか
継続の代行料 何か月分が最低限の支払い対象か
媒体・広告費 代行料に含むか、別に発注するか
ツール利用料 既存の採用管理ツールを使えるか
件数の上限 応募者、求人、スカウト等をどう数えるか
追加料金 金額と、作業開始前の承認方法は何か
変更・終了時の費用 対象職種の変更やデータ出力に費用がかかるか
税と支払条件 税抜・税込のどちらか、請求時期はいつか

媒体費を含む見積もりと、含まない見積もりは別に扱います。また、外部のツールを新たに導入する提案があるなら、利用料だけでなく、設定・教育・終了時の移行作業も確認しましょう。

金額が未確定の項目をゼロ円として計算しないことも大切です。見積もりに記載がなければ、追加の確認事項として残します。

転記用の比較表は、次の形から作れます。各社の回答を記入し、税・期間・委託範囲を表の上に書きます。回答がない費目は「未回答」とし、合計を出す前に依頼先へ確認してください。

費目 A案の金額・基本範囲 B案の金額・基本範囲 追加条件・未回答
初期費用 記入欄 記入欄 確認事項を記入
期間分の代行料 記入欄 記入欄 上限と追加条件を記入
媒体・ツール費 記入欄 記入欄 含む費目を確認
想定する追加作業 記入欄 記入欄 発生条件を記入
終了・引き継ぎ費用 記入欄 記入欄 出力等の条件を確認
同じ期間の合計 記入欄 記入欄 未確定の費目を併記

予算に社内工数も含める場合は、この表とは別に、残る作業と管理時間を記録します。見積もりの金額だけが揃っても、片方の案で社内が行う仕事が増えるなら、その担当を決める必要があります。

架空の見積もりで、3か月の総額を計算する

総額の比較は、同じ期間と税の扱いに揃えて行います。 次の表は、社員50名の会社が同じ採用業務を3か月委託すると仮定した架空の計算例です。実在サービスの料金や相場ではありません。

費用項目 A案 B案
初期費用 10万円 20万円
月額代行料 20万円 × 3か月=60万円 15万円 × 3か月=45万円
媒体費 8万円 × 3か月=24万円 8万円 × 3か月=24万円
追加作業費 想定範囲内では0円 5万円 × 3か月=15万円
3か月の合計 94万円 104万円

すべて税抜の仮定です。月額代行料だけならB案が安くても、この条件の総額ではA案が10万円低くなります。ただし、B案の追加作業が実際に発生しなければ、総額は89万円です。

したがって、契約前には「基本の範囲で終わる場合」「想定する追加作業が出る場合」を分けて計算します。将来の費用が一つの数字で確定しているかのように扱わないためです。

この表には社内の人件費、面接官の時間、入社準備の費用等を含めていません。これらも予算に含める場合は、別項目として足します。採用できる人数はこの見積もりだけでは確定しないので、採用予定人数で割った値を実績の採用単価と呼ばないでください。

採用単価と社内工数を分けて確認する

採用単価は、費用と採用人数の定義を揃えて初めて比較できます。 代行料だけの単価と、媒体費・社内工数まで含む単価を同じ表で比べると誤解が生まれます。

たとえば、先ほどの架空のA案で3か月の対象業務に関係する入社者が2名だったと仮定すると、外部費用の単価は94万円÷2名=47万円です。これは例の外部費用だけの値で、入社後の育成費用などは含みません。

入社者がゼロなら、その期間の一人当たり採用単価は計算できません。便宜的にゼロ円にせず、「入社0名、外部費用94万円」と分けて示します。途中の面接や内定がどう進んだかも別に確認してください。

社内工数の例も見てみましょう。外注前に応募者対応等へ月30時間使い、外注後に同じ作業が月10時間、委託先との確認が月5時間になったと仮定すると、残る時間は15時間、減った時間も15時間です。確認作業を無視して「20時間減った」と計算しないことです。

これらはすべて架空の計算です。社員の時間が空いても、人件費の支出が同額減るとは限りません。空いた時間を何へ使ったかも記録し、金銭的な削減と仕事の再配分を分けて報告しましょう。指標の定義は採用代行のKPIで詳しく説明しています。

契約前に予算超過の条件を確かめる

予算を管理するには、追加の仕事を始める前に、誰が金額を承認するかを決めます。「あとで月末にまとめて報告」だけでは、超過に気づいた時点で止めにくくなります。

対象職種が増える、応募が想定を超える、土日の対応を加える、面接の再調整が増えるなど、自社で起こり得る変更を依頼先へ伝えます。何が基本料金に含まれ、何が変更見積もりになるかを確認してください。

社内の採用計画が止まった場合も重要です。採用凍結や募集終了で作業を減らしても、支払いが同じなのか、休止できるのかを契約条件で確かめます。自動更新や最低契約期間も、月額とは別に確認します。

費用を抑えるときは、必要な連絡や記録を省くより、まず委託する職種と工程を絞ります。安さだけを理由に、社内で対応できない仕事を残すと運用が止まります。

見積もり依頼の書き方

依頼書では、困っている工程と、比較したい前提を具体的に伝えます。 人数だけを伝えて提案を待つより、各社が同じ条件で回答しやすくなります。

次は架空の依頼文の例です。

社員50名の会社で、中途の営業職を対象に採用業務の一部委託を検討しています。応募受付、承認済み文面での返信、面接日程の確定、進捗記録を依頼する想定です。合否判断と条件提示は自社で行います。3か月の場合の初期費用、月額内の件数・時間、追加作業の単価、媒体費、終了時の引き継ぎ費用を分けてご提示ください。

実際には応募件数、使うシステム、窓口となる担当者、面接枠も加えます。不明な件数は確定値にせず、実績のある期間や概算の前提を添えて伝えます。

回答後は、記載のない項目を埋めてから比較します。会社の見極め方は採用代行会社の選び方も参考にしてください。

人材紹介も使う場合は、その手数料と代行料を別に記録します。紹介候補者の調整が委託範囲に含まれるかも確認し、外部費用を二重に計上しないよう揃えてください。分担の例は採用代行と人材紹介の違いにまとめています。

よくある質問

費用の判断では、安いか高いかを決める前に、何を含めた数字かを確認します。

人事担当者を採用するより安くなりますか

担当者に任せたい仕事が採用だけとは限らないため、年収と代行料だけでは比べられません。採用以外の仕事、社内に残る判断、外注先との管理時間を含めて比較します。一人目人事の採用も、体制を考える材料になります。

最初から長期契約にした方が得ですか

割引があっても、対象業務と対応品質を確かめる前には判断できません。短期で確認できる内容と、長期でなければ見えない採用結果を分け、終了条件まで読んでから決めます。

見積もりが安ければ、まず試してよいですか

対応する範囲と社内の受け皿が決まっているなら、限定して試す方法があります。応募者情報の扱いや求人条件、権限の確認は、金額にかかわらず行ってください。

まとめ:月額より、総額と残る仕事を比べる

採用代行の費用は、同じ業務・期間・件数に揃えた総額と、社内に残る工数で判断します。月額の差だけで選ぶと、追加料金や管理の負担を見落とします。

最初に、初期費用、代行料、媒体費、上限、追加料金、変更・終了条件を一枚に並べます。そのうえで、基本範囲と追加作業が発生する場合を分けて計算しましょう。

最初の行動は、転記用の比較表へ同じ期間の費用を記入し、未回答の費目を依頼先へ返すことです。 追加条件が不明なら合計を確定せず、基本範囲と追加作業が出る場合を分けます。

社内に残る作業の担当が決められない場合は、採用体制の整理を相談するから、委託する範囲、比較期間、残る業務、未確定の担当をお知らせください。「面接調整を委託する予定ですが、社内の承認と例外対応を誰が持つか整理したい」と書けます。代行業務の見積もりは、その業務を提供する会社へ依頼してください。