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採用が進まないとき、「採用代行を頼むか、人材紹介を増やすか」で迷うことがあります。ただ、応募者への返信が遅い会社と、そもそも必要な経験を持つ人に出会えていない会社では、補いたい仕事が違います。

採用代行と人材紹介は、足りない工程を整理してから使い分けます。 候補者との接点を増やしたいのか、すでにある採用活動を進める人手が足りないのかを分けるのが出発点です。

本記事は、30〜100名規模で採用を兼務する担当者に向けて、サービス名だけで選ばず、自社の仕事から判断する方法を説明します。

採用の運用を補うか、候補者との接点を増やすか

使い分けの中心は、採用活動を回す仕事の不足と、候補者へ接点を持つ手段の不足を分けることです。ただし、提供内容は依頼先ごとに確認します。

本記事でいう採用代行は、求人原稿の整理、応募対応、面接調整、進捗管理など、採用の工程を外部と分担する支援です。採用方針の整理を含む場合もあるため、単なる事務作業だけとは限りません。

一方、職業紹介は、求人と求職の申込みを受けて、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんするものです。これは職業安定法上の定義です。出典:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分」

紹介を受けた候補者が増えても、面接枠や社内の判断が足りなければ選考は進みません。逆に、調整を外部へ出しても、採用要件や求人の魅力が伝わらず応募がない問題は、そのまま残ることがあります。

全体の工程を確認する場合は採用代行の導入ガイドをご覧ください。

比較するのは、サービス名より具体的な仕事

比較表には、候補者を見つける仕事と、選考を進める仕事を分けて入れます。「どちらが優れているか」ではなく、どの不足を補うかが判断しやすくなります。

比較すること 採用代行で確認すること 人材紹介で確認すること
依頼する対象 自社の採用工程のどこを担うか どの求人について候補者を紹介するか
候補者との接点 自社媒体、スカウト、応募等のどれを扱うか 候補者への説明と推薦をどう行うか
自社の仕事 要件・承認・面接・条件決定の分担 求人情報の共有、選考、条件決定の分担
料金 基本料金、作業量、成果の請求条件 手数料の計算、発生時点、返戻等の条件
残す情報 業務記録、文面、進捗、引き継ぎ資料 推薦経緯、連絡の履歴、選考状況

この表は契約前の確認項目です。人材紹介はすべて入社時だけの成果報酬、採用代行はすべて月額固定、と決めつけるものではありません。

紹介会社が採用工程の支援も提供する、代行会社が職業紹介のサービスも扱う場合は、それぞれの仕事と料金を分けて確認します。同じ会社への発注でも、契約と権限が一つで済むとは想定しないことです。

自社の詰まり方から選ぶ

依頼先を選ぶ前に、採用が止まっている場所を、実際の件数と待ち時間で確かめます。 「いい人が来ない」だけでは、原因の範囲が広すぎます。

起きていること 先に確認すること 支援の検討方向
応募そのものが少ない 要件、仕事内容の説明、募集経路 求人の整理、接点を増やす方法、人材紹介等
応募はあるが対応が遅い 受付から初回連絡までの時間 応募対応の分担、採用代行等
面接が決まらない 候補日と面接官の空き枠 社内の枠確保と調整の分担
面接後の結果が遅い 判断者、基準、情報の不足 基準と決裁の整理を社内で行う
内定を出しても辞退する 条件説明、仕事内容、候補者の意向 説明と条件の見直し、接点の記録

採用代行も人材紹介も、足りない給与原資や受入体制を自動的に作るものではありません。求める経験と提示できる条件が合っているか、社内で確認する仕事は残ります。

複数の問題があるなら、候補者との接点を増やす前に、応募後の受け皿を整える順番も検討します。応募が増えてから面接官を探す設計にすると、途中で待ち時間が増えます。

外部へ渡す作業と社内に残す判断は、採用代行の業務範囲で具体化できます。

人材紹介と採用代行を併用する架空例

併用する場合は、候補者の経路が違っても、社内の選考と連絡窓口を揃えます。 次は社員60名の会社が、営業職を採用する架空の運用例です。

この会社は自社の求人と人材紹介を使っていますが、総務が応募者と紹介会社への連絡を兼ね、面接の確定に時間がかかっています。そこで、採用代行へ連絡・日程調整・進捗記録を依頼する想定です。

自社は要件と合否、条件を決める

営業部門の責任者が、採用後の担当業務と選考基準を決めます。紹介会社へ伝える条件と、自社求人の条件がずれないよう、人事窓口が同じ版の求人情報を管理します。

紹介会社は推薦と候補者への説明を担当する

推薦を受けたら、求人と候補者の接点の履歴を確認します。面接後にどの情報を返すか、誰が候補者へ結果を伝えるかは、紹介契約と運用に合わせて決めます。

代行会社は、合意した連絡と記録を担当する

代行会社は、社内で承認した対応範囲に沿って日程を調整し、状況を記録します。紹介会社が候補者との窓口になる場合は、その会社経由で連絡し、自社応募と同じ方法で直接メールを送らない設計にします。

変更は一つの窓口から伝える

仕事内容や面接の流れが変わる場合、人事窓口が情報を更新し、紹介会社と代行会社へ同じ内容を伝えます。部門責任者がそれぞれに違う指示を出す状態を避けます。

この例は、併用すれば採用できるという成果事例ではありません。依頼する業務の法的な扱いと契約範囲を確認したうえで、連絡の分担を決めるための例です。

料金と候補者の重複を確認する

併用の費用は、代行料と紹介手数料を別に計算し、合計の予算を確認します。片方の費用だけで採用単価を説明しないことです。

たとえば、採用の運用代行が3か月で60万円、ある入社者に関する紹介手数料が90万円と仮定すると、その例での外部費用は計150万円です。これは架空の金額で、相場でも実在サービスの料金でもありません。媒体費、税、社内の工数、別の候補者に関する費用は含めていません。

採用結果をどの経路へ集計するかも定義します。過去に自社へ応募した人が、後に紹介会社から推薦されることがあります。経路名だけで費用の負担を決めず、各契約の候補者の帰属・請求条件を確認してください。

記録する項目は、候補者を識別する管理番号、最初の接点の日付、各経路の連絡履歴、現在の選考段階などです。管理番号で集計しても、候補者を識別できる元データの管理が不要になるわけではありません。

重複が見つかったら、誰が契約を確認し、どの窓口から相手へ連絡するかを決めます。記録なしに「先に連絡した方」と社内だけで処理しないことです。費用の内訳は採用代行の見積もり比較も参考にしてください。

許可や届出は、業務の実態から確認する

法的な扱いは、「採用代行」というサービス名だけでは決まりません。 誰が候補者を選び、誰の判断で連絡し、雇用の成立へどのように関わるかを確認します。

厚生労働省は、募集情報等提供として広告していても、求人者の判断によらず選考の返信をするなど、実態が職業紹介に当たる例を示しています。出典:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分」

また、職業安定法第36条には、被用者以外の者へ報酬を与えて労働者募集に従事させる場合の許可等の規定があります。業務が委託募集に該当するかを含め、事業の内容に即した確認が必要です。出典:厚生労働省掲載「職業安定法」第36条

事務作業を外注することと、募集・選考の判断を委ねることを一緒にせず、予定するフローを依頼先と都道府県労働局の担当窓口などへ示して確認します。本記事は個別のサービスの適法性を判定するものではありません。資料の確認日は2026年10月1日です。

よくある質問

使い分けに迷ったら、現状の採用工程と必要な支援を先に書き出すのが近道です。

募集経路を変えたあと、使い分けを見直すには

募集経路ごとに、紹介・応募の件数、面接までの進み方、対応に使った社内時間を分けて残します。件数が少ない場合は、率だけで経路の優劣を決めず、募集する仕事内容・条件と、推薦された候補者の希望が合っていたかも見ます。

たとえば、紹介された候補者との面接は進んでいるのに、自社応募だけ日程が決まらないなら、自社応募の調整手順を確認する余地があります。一方、どの経路でも同じ条件で辞退されるなら、会社側の仕事内容や条件説明へ戻ります。紹介会社や代行会社を増やす判断と、自社が直す仕事を分けてください。

途中で要件を変えた場合は、両方の依頼先へ同じ版を伝えます。一方だけが旧条件で動くと、候補者の提案と社内の選考がずれてしまいます。

人材紹介を使っていれば、採用代行はいりませんか

紹介を受けたあとの調整や記録を社内で行えるかによります。候補者の接点があっても、運用の担当が不足するなら一部の代行を検討できます。

採用代行を使えば、人材紹介を減らせますか

代行によって自社の採用経路が動くかを確認してから判断します。特定の職種で紹介経路が必要なら、運用を代行しても紹介を継続する設計があり得ます。

どちらも使わず、自社で進める方法はありますか

担当時間、採用要件、面接枠、候補者への連絡を社内で確保できるなら検討できます。ただし、人手だけでなく、募集の条件と候補者へ届く経路も確認します。

まとめ:足りない工程を決めてから選ぶ

採用代行と人材紹介は、サービスの価格や名称より、どの仕事を補いたいかで使い分けます。 接点が足りないのか、運用が進まないのか、自社の決定が止まっているのかを分けてください。

併用するなら、連絡窓口、合否の判断、費用、候補者の重複の扱いを先に整理します。業務の実態に応じた許可等の確認も欠かせません。

最初の行動は、詰まり方の表で、候補者との接点不足と応募後の運用不足を分けることです。 現在の経路、匿名で集計した件数、待っている工程、面接枠や判断者を書き出してください。

外部へ頼む仕事を決める前に社内の体制を整理したい場合は、採用体制の整理を相談するから、「紹介の接点はありますが面接枠と合否の判断で止まります。社内の役割から整理したい」のように状況をお知らせください。候補者の紹介や採用の運用実務は各提供会社へ、許可等の該当性は本文で案内した窓口等へ確認します。