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組織図では上司が一人なのに、日常の仕事は別の管理職からも依頼される。人事を兼務している社員がいるが、図には営業担当としてしか載っていない。30〜100人の会社で組織図を直すなら、役職の並びと実際の仕事の違いを確認します。
組織図は、部署・役割・担当者の関係を示し、兼務や空席を明記して作ります。 具体的な判断範囲や例外の相談先は、別の役割表へ置きます。図と表を組にすると、誰に何を相談するかを仕事の場面で確かめられます。
この記事では、現在の図へ兼務と空席を表し、一つの役割の判断先を補う方法を扱います。作図の道具を選ぶ前に、何を箱に入れ、線で何を表すかをそろえましょう。
組織図は、誰が何を担いどこへ相談するかを表す
最初に、現在の部署、主要な役割、担当者を一覧にします。名刺にある役職と、実際に担っている仕事が違う場合は、両方を確認します。「部長だから採用も決める」と想定せず、現在の判断経路を聞いてください。
労働政策研究・研修機構の「管理職ヒアリング調査結果」は、管理職が業務分担や進捗管理など複数の役割を担うことと、予算・人員に関する権限の制約を取り上げています。2019〜2020年のヒアリングをまとめた資料です。図に役職名があることと、必要な判断を行えることを別に確認する背景として参照します。
現在の仕事は、担当者と上司に一件ずつ説明してもらいます。顧客への回答、採用条件の確認、部門をまたぐ依頼などを選び、誰から始まり、誰が何を判断し、どこへ記録が届くかを追います。図の線と違う経路があれば、役割表へ残します。
| 一覧にする項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 部署 | まとめて担う仕事の範囲 |
| 役割 | 成果、判断、支援などの責任 |
| 担当者 | 現在その役割を行っている人 |
| 上司・報告先 | 指示、確認、結果の報告を受ける相手 |
| 連携先 | 仕事の情報や専門確認を受け渡す相手 |
組織設計全体を見直す場合は、組織設計の目的から運用までの手順へ進めます。本記事では、決めた体制を社員が読み取り、現在の担当と相談先を確認できる図へ落とす作業に絞ります。
現状と目指す体制を分けて書く
現在の図と、今後の体制案は別に作ります。まだ採用していない役割や、任命していない責任者を現状の図に実在するように載せると、社員はそこへ相談できると思います。案には予定、未定、空席などの状態を明記してください。
空席は、役割が必要なのに担当がいない状態です。役割自体を置くか検討中のものとは分けます。空席のままでも必要な仕事が発生するなら、暫定で誰が引き受け、いつ体制を確認するかを表へ書きます。空欄だけでは、仕事が不要なのか未決なのか分かりません。
| 図の種類・状態 | 表す内容 | 添える情報 |
|---|---|---|
| 現状 | 現在実行している体制 | 確認した日と担当者 |
| 体制案 | これから検討・実施する体制 | 未決事項と決める人 |
| 空席 | 必要な役割の担当が不在 | 暫定担当と戻す判断 |
| 任命予定 | 決定したがまだ移行していない役割 | 開始の条件と引き継ぎ |
体制案を読み合わせるときは、図の完成形に加え、現在からどう移るかを確認します。異動する人の仕事を誰へ渡すか、兼務が残るか、空席の間の判断先はどこかを見ます。新しい箱を足すだけで、現在の仕事が自動的に移るわけではありません。
図に示す日付は、作成日と適用する日を区別できます。将来の図を社員へ共有する場合は、いつから使うかを明示し、移行前の相談先を残します。日程が未定なら、決定を知らせる担当を置きます。
箱と線の意味をそろえる
箱には、部署か役割のどちらを基本として入れるかを決めます。部署の箱に役割と担当者を併記する方法もありますが、同じ階層で部署名と個人名が混ざる場合は、その意味を説明します。見た目の高さだけで権限を推測させないようにします。
線は、指揮・報告の関係と、連携する関係を区別します。実線と点線を使うなら、凡例に意味を書きます。点線でつながる相手が指示できるのか、情報を交換するだけかを、読み合わせで確認してください。
| 表記のルール案 | 図へ書く内容 |
|---|---|
| 箱の見出し | 部署または主要な役割の名称 |
| 箱の中 | 責任者、主担当、必要なら人数ではなく担当状態 |
| 指揮・報告の線 | 上司と報告を受ける関係 |
| 連携の線 | 部署をまたぐ情報や専門確認の関係 |
| 兼務・空席の印 | どの役割が兼務または担当不在か |
箱の大きさや配置に意味を持たせる場合も、その意味を決めておきます。紙面に収めるために小さくした部署が、責任の小さい部署に見えないかを確認します。部署の上下関係を示す位置と、紙面上の並びを区別し、図の読む順番を凡例へ添える方法があります。
図の中へ全ての業務を入れると、社員が必要な経路を探しにくくなります。頻繁に変わる担当や詳しい決裁条件は別表へ移し、図から参照できる名称をそろえます。図と表で役割名が違うなら、対応が分かる表記に直します。
連携の線が多くなる場合は、実際の一業務へ分けて確認します。部署間の仕事の受け渡しを整える手順で、渡す情報、受け手の確認、例外の戻し先を整理できます。組織図は全体の関係、受け渡し表は一件の業務という役割で使い分けましょう。
兼務と判断範囲を別表で補う
兼務は、一人の名前を複数の場所へ置き、どの役割を兼ねるかを明記します。同じ名前があることだけで、仕事の優先順位は決まりません。依頼が重なったとき誰が調整するかを役割表へ置きます。
| 役割表の列 | 記入する内容 |
|---|---|
| 役割・部署 | 図と対応する名称 |
| 主担当 | 通常の作業を行う人 |
| 兼務 | 他に担う役割と仕事の調整先 |
| 空席 | 不在の役割と暫定担当 |
| 報告先 | 結果と状態を受ける相手 |
| 連携先 | 必要情報や専門確認を渡す相手 |
| 決める範囲 | 自分で決める事項と例外の相談先 |
| 更新日 | 最新の分担を確認した日 |
判断範囲は、具体的な仕事で書きます。「人事担当」は手続の案内と情報整理を行い、採用条件は経営者が判断するなど、作業と判断を分けます。権限が現行の規程で決まっている場合は、その内容と照合します。
依頼が重なる兼務者には、元の上司と兼務先の責任者から別々に優先順位を出さないよう、調整する人を置きます。本人が事情を説明するだけで終わらず、どの仕事を先に進めるかを判断する役割を明記してください。
不在時も確認します。主担当が休みの場合、別の人が作業だけを引き受けるのか、判断までできるのかを区別します。代わりの担当を図に追加する前に、引き渡す記録と判断を戻す条件をそろえましょう。
一人が二つの役割を担う架空例
社員65人の会社で、一人の社員が営業支援と人事を兼務する架空例です。ほねぐみ。の支援実績ではありません。営業責任者から資料の作成を依頼される一方、経営者から採用の準備を求められています。現状の図には、営業支援の担当としてしか載っていませんでした。
失敗例は、人事の箱を追加し、同じ社員の名前を入れるだけで終えることです。社員には二つの担当と分かっても、どちらの仕事を優先するか、採用条件を誰が決めるかは残ります。この会社では、図に兼務を示し、役割表で判断を補います。
| 架空の役割 | 本人が行うこと | 判断・調整する人 |
|---|---|---|
| 営業支援 | 資料案と顧客情報を整理する | 営業責任者が作業範囲を確認 |
| 人事 | 求人条件の案と選考予定を整理する | 経営者が条件を決める |
| 二つの仕事の調整 | 各依頼と必要時期をまとめる | 合意した責任者が優先順位を選ぶ |
| 本人不在時 | 記録を指定場所に残す | 代替担当が通常作業、例外は責任者へ |
営業責任者と経営者は、同じ担当者の時間を使う前提を確認し、重なった場合の判断先を決めます。どちらの役割でも、作業を頼むことと条件を承認することを分けます。本人が採用の資料を作れることを、採否を決める権限があることと混ぜません。
読み合わせには、通常の資料作成と、急な採用条件の変更を同時に置きます。本人が誰へ何の情報を渡し、どこで優先順位が決まるかを説明します。図の線だけで答えられない部分は、表に具体的な条件を足します。
この会社で調整する場を設ける場合は、会議体の目的と判断経路の見直しへつなげられます。兼務者のためだけに報告会議を増やす前に、既存の判断の場を使えるかを確認します。
現場で読み合わせて更新担当を決める
現場の読み合わせは、「この仕事で困ったらどこへ相談するか」という問いで行います。担当者が図を見て、作業の相手、判断先、例外時の戻し先を説明できるかを確かめます。経営者が意図した関係と違う回答があれば、図か表を直します。
読み合わせで確認した違いは、図の表記の問題、役割の未決、現場の運用との違いに分けます。表記の問題なら凡例や名称を直せますが、判断者が決まっていない問題は作図担当だけでは直せません。経営者へ決める問いを戻し、決定後に図と表を更新します。見た目の修正で判断の空白を隠さないようにします。
確認する仕事は、部署内の通常業務、部署間の受け渡し、担当者不在の一件から選べます。図がきれいに並んだかより、必要な役割が抜けていないか、名前だけある空席がないかを見ます。現場が使う名称と図の名称もそろえてください。
更新担当は、人事・総務など会社が決めた窓口に置けます。異動、任命、兼務の変更、空席の解消が決まったら、誰から更新情報を受けるかを定めます。図の情報を直す担当と、役割や権限を決める担当は区別します。
更新時には、変わった役割、適用する条件、現在使う版、社員への案内を残します。共有する図に必要な個人情報の範囲も確認し、内部の担当一覧と外部向けの組織紹介を同じ内容で出すかは別に選びます。
最初の行動は、現在の図へ兼務と空席を明記し、相談先が曖昧な仕事を一つ役割表へ書くことです。 作業担当と判断者を分けて、当事者に読み合わせてもらいます。
図と実際の相談経路が合わない場合は、組織図と役割の整理について無料相談するから、最初に整理するテーマをご相談ください。現在の図や担当一覧、兼務・空席の役割、相談経路が分からない一件があると説明できます。「営業支援と人事を兼務する社員へ別々の指示が出て、優先順位の判断先がない」という相談例です。


