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OJTを担当者へ任せたものの、何をどの順番で教えるかが人によって違う。「一通り説明した」と聞いても、本人がどこまで仕事をできるかは分からない。30〜100人の会社でOJT計画書を作るなら、業務の説明と習得の確認を対応させます。

OJT計画書には、習得する仕事、目標の状態、経験する順番、教える担当、管理職の支援、確認する行動を置きます。 教えた回数や経過日数だけで完了とせず、実際の一件をどの条件で進められるかを確かめる計画にします。

この記事では、一業務の習得計画を作る手順を示します。入社・異動の受け入れ全体の予定とは分け、現場で仕事を教え、任せる範囲を更新するために使います。

OJT計画書は、仕事と確認基準を対応させる

計画の最初に、何ができる状態を目指すかを書きます。「問い合わせ対応を覚える」なら、必要情報を聞く、通常条件の回答を作る、判断が必要な例外を責任者へ戻すなど、仕事として確認できる形にします。どの範囲まで本人が行うかを明示してください。

厚生労働省の「職業能力評価シートについて」は、職務遂行の基準を使って現在の能力と不足する能力を確認し、育成へ活用する方法を紹介しています。各社の実状に合わせたカスタマイズも案内しています。本記事の計画書は、その仕事に沿って能力を確認する考え方を参考にした作成案です。

OJTの完了は、全ての場面で一人で判断することとは限りません。通常業務は自分で進め、定めた例外を相談できる状態を目標にする場合もあります。どこで相談するかまで、確認基準へ入れます。

最初に決めること 計画に残す内容
習得する仕事 開始から完了までの対象範囲
目標の状態 自分で行うことと補助・相談の条件
確認する仕事 目標に関係する一件や成果物
確認の担当 誰がどの基準で見るか

管理職は、仕事を教えることを指導担当へ依頼するだけでなく、本人が経験できる業務を用意します。実際に対象の仕事が発生しない場合は、加工した事例で練習するなど、次に確認する方法を決めます。まだ経験していない仕事を、説明済みという理由だけで習得済みにしないようにします。

教える仕事を小さく分ける

対象業務は、前提知識、通常作業、例外の相談、完了の確認へ分けます。一つの流れを細かく分けると、どこを説明し、どこを本人が試し、何を確認するかが決まります。初日から全工程を同時に覚える計画にする必要はありません。

前提知識には、仕事の目的、扱う情報、記録する場所、相談先を入れます。手順の操作だけを説明すると、条件が違ったときに本人が判断できません。なぜその確認を行うかも、実際の一件へ結び付けて伝えます。

仕事の分け方 教える内容 本人が経験すること
前提の理解 目的、対象、資料、相談先 一件の流れを説明する
通常の作業 手順と必要情報 補助付きで一件を進める
例外の識別 通常条件と異なる点 不足や違いを見つけて相談する
完了の確認 記録と相手への受け渡し 成果物と必要情報を渡す

経験する順番は、作業が始められる条件から考えます。必要情報の確認を学ばずに回答を作る作業へ進むと、指導担当が不足を後から補う状態になります。先の作業ができてから次へ進む部分と、並行して経験できる部分を整理します。

手順書がない場合も、まず一業務の流れを指導担当と書き出せます。担当ごとに違うやり方があるなら、仕事の条件による違いなのか、整理されていない運用なのかを管理職が確認します。新人や異動者に、複数の異なる説明から自分で正しい手順を選ばせないようにします。

教える担当と管理職の支援を置く

教える担当は、仕事の説明、本人の試行の補助、成果物の確認を担います。管理職は、経験する仕事の割り当て、指導担当の業務調整、権限と相談先の確認を担う形で分けられます。両者を同じ人が行う場合も、必要な仕事と時間を見えるようにします。

担当 計画に置く仕事
本人 決めた範囲を試し、不明点と行ったことを記録する
指導担当 手順を説明し、補助する箇所と確認結果を残す
管理職 仕事の機会、指導の時間、優先順位を整える
必要な専門担当 専門事項や通常範囲外の条件を確認する

指導担当に通常業務を全部残したままOJTを足すと、説明や確認が後回しになる場合があります。どの仕事を減らすか、他へ渡すかを管理職が選びます。「空いた時間に教える」と決める前に、対象の仕事が発生する場面で支援できる予定を確認してください。

管理職が部下の育成を支える行動は、管理職の育成計画を実務経験へ変える手順にもつなげられます。指導担当への依頼だけでなく、業務配分や確認の場を用意する役割を、管理職自身の経験として扱えます。

教える人が不在のときは、代わりの確認担当と、本人が進めてよい範囲を置きます。まだ確認を要する作業を、相手がいないから一人で行う前提にしないようにします。急ぎの案件が入った場合も、誰が引き受けるかを決めておきましょう。

本人には、分からない点をどの時点で誰へ相談するかを伝えます。相談することと、毎回全部を指導担当へ渡すことは分け、本人が集める情報と考える案を示します。必要な支援を受けながら、少しずつ担う範囲を広げる計画にします。

習得を確認する仕事と基準を決める

確認基準は、成果物と行動へ分けます。必要情報を含む記録ができたか、通常条件を識別したか、不明な点を適切な相手へ相談したかなど、対象の業務に沿って置きます。練習の回数は経験の記録であり、それだけで習得の確認結果にしません。

OJT計画書の列 記入する内容
習得する仕事 対象業務と担当する範囲
目標の状態 自分で行う作業と相談の条件
経験する順番 説明、補助付き試行、確認、次の範囲
教える担当 どの作業を誰が説明・確認するか
管理職の支援 仕事の割り当て、時間、権限の調整
確認する成果物・行動 記録、回答、受け渡し、相談など
再練習する条件 何が不足したら、何を変えて試すか

確認した条件を残すことも必要です。通常の案件でできたことと、別の条件でもできることは違います。確認者は、どの仕事でどの範囲を見たかを書き、未確認の例外は別に置きます。

本人と指導担当の認識が違う場合は、同じ成果物を見て確かめます。本人は作業を終えたと思っていても、次の相手に必要情報が届いていない場合があります。完了の定義を直すのか、説明を補うのかを選び、次の試行へ反映します。

相談しながらできた仕事は、その支援条件を記録します。補助付きで進められた結果を、一人でできた結果として管理職へ報告しないようにします。支援を減らす前に、どの部分を本人が行い、どこを指導担当が補ったかを確認してください。

問い合わせ対応を習得する架空例

社員40人の会社で、異動者が問い合わせ対応を学ぶ架空例です。ほねぐみ。の支援実績ではありません。目標は、通常の問い合わせについて必要情報を集め、決めた手順で回答案を作り、範囲外の条件は責任者へ相談できる状態です。

失敗例は、指導担当の隣で対応を何度か見た後に、一人で全てを任せることです。本人は通常の流れを知っていても、例外を戻す条件や記録の基準は確認されていません。この会社では、仕事を段階に分けて経験させます。

架空の経験順 本人が行うこと 確認すること
流れを確認 加工した一件の手順を説明する 開始、必要情報、完了の理解
情報を集める 指導担当と必要項目を確認する 不足を見つけ、尋ねた内容
通常対応を試す 回答案と記録を作る 条件と手順に合っているか
例外を相談 通常との差と必要情報を整理する 戻す相手と伝える内容
範囲を広げる 確認済みの通常条件を担当する まだ補助が必要な作業

指導担当は、本人が作った回答案を確認し、どこを直したかを記録します。管理職は、本人が経験できる通常の案件を割り当て、指導担当が確認する時間を調整します。判断が必要な例外は、権限のある責任者へ戻します。

練習では、実際の顧客名などを除いた架空の問い合わせを使えます。その確認だけで実際の全案件を任せられるとはせず、実務で試す範囲と支援を決めます。回答案は作れたが記録が足りない場合は、記録する項目を読み合わせて再び試します。

次に、通常と違う条件の一件を置きます。本人が自分で承認する練習ではなく、違いを識別し、責任者が判断できる情報を渡す経験です。相談ができたことを、専門判断まで習得した結果として扱わないようにします。

試行後は、本人がどこで迷ったかと、指導担当が何を補ったかを並べます。問い合わせの内容を理解できなかったのか、記録の項目が分からなかったのか、相談する相手が不明だったのかで、次に教えることが変わります。

進み具合を確認して計画を更新する

進み具合は、未経験、補助付きで確認、一人で通常対応を確認、例外は未確認など、仕事の状態で管理します。日程どおりに進まなかった場合は、経験する案件があったか、教える時間が取れたか、説明と基準がそろっていたかを確認します。

本人の意欲だけで未達の理由を説明せず、仕事の難しさ、情報、支援の条件を見ます。説明した手順と実際の運用が違うなら、先に手順を確認します。再練習する場合は、変える内容を一つ選び、同じ曖昧な課題を繰り返さないようにします。

本人の困りごとや次の経験は、1on1の目的と次の行動の整理で話す方法もあります。面談で決めたことをOJT計画へ戻し、仕事を用意する担当と支援者に依頼します。話した記録と、実際の経験の予定をつなげてください。

支援者の関わり方は、サーバントリーダーシップの現場での使い方も参考になります。本人に考える機会を残しつつ、必要な情報や仕事の条件を用意する行動へ具体化します。任せる範囲を広げるときも、相談先をなくすことと同じにしないようにします。

計画を更新したら、目標、確認した範囲、次の仕事、支援者を本人と読み合わせます。確認済みの仕事は日常の分担へ移し、未確認の仕事は経験と支援を残します。指導担当が変わる場合は、本人の現在の状態と補助する条件も引き継いでください。

最初の行動は、習得する業務を一つ選び、完了の状態、教える担当、確認する一件を計画書へ書くことです。 通常対応と例外を相談する条件を分けます。

OJTが担当者任せで、任せられる範囲が分からない場合は、育成の役割と運用について無料相談するから、最初に整理するテーマをご相談ください。習得させたい業務一覧、指導担当と通常業務、既存の計画書の項目があると説明できます。「説明はしているが、何ができれば完了かと管理職の支援をそろえたい」という相談例です。